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3分でわかる「レベニューシェア」
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3分でわかる「レベニューシェア」

レベニューシェアとは、主にIT事業やEC事業で活用されている成果報酬型の企業間提携です。この記事は、レベニューシェアでサービスや物品を販売したい企業・フリーランスなどの方に向け、レベニューシェアの仕組み、成果報酬やプロフィットシェアとの違い、メリット・デメリット、配分比率の目安、成功事例、会計処理の方法などを解説します。

レベニューシェアは成果報酬型提携のひとつ

レベニューシェアとは、複数の企業が協力し合うことで事業から得た利益を、事前に決めた比率で分配する成果報酬型提携の1つです。例えば、ある企業がオンラインショップの運営を始めたい場合に、レベニューシェア型契約で受注者を探します。受注者は無償または低価格で、ECサイトの構築や顧客管理システムとの連携などを請け負います。そして、事業がスタートして売上が出ると、成果報酬が発生するというわけです。レベニューシェアの特徴は、発注者と受注者がビジネスリスクを共有していることです。また、契約締結までのプロセスが長いBtoBにおいても、比較的スピーディな契約締結がしやすく、事業スタートまでの期間を短縮できる傾向があります。レベニューシェアは幅広い分野に適用できますが、主にWebサイト制作やアプリ・ソリューション開発など、IT事業やEC事業で活用されています。

成果報酬やプロフィットシェアと何が違うのか?

成果報酬型提携の一種という点において、レベニューシェアとプロフィットシェアは同じです。一方、レベニューシェアとプロフィットシェアの違いは、分配する対象です。レベニューシェアは事業で得た売上を分配するのに対し、プロフィットシェアは売上から諸経費を引いた利益を分配します。そのため、仮に事業が赤字になった際も、レベニューシェアでは配分比率に基づいて売上を渡さなければなりません。一方、プロフィットシェアでは利益がなければ受注者に対する支払いも発生しないことになります。つまり、発注者側からみると、ビジネスリスクが低いのはプロフィットシェアのほうです。ただし、受注者側からみれば逆になるため、通配分比率を高くするか開発費用を多く負担してもらうことを要求する場合もあるでしょう。

レベニューシェア型契約のメリット・デメリット

レベニューシェア型契約の発注側のメリット・デメリットは以下のとおりです。

【メリット】
・システム開発費用などの初期費用の負担を軽くできる
・売上に応じて費用が発生するため、事業が失敗した場合のリスクが低い

【デメリット】
・成果が増えると支払う成果報酬額も増えてしまう
・事業活動について受注者の協力を得なければならないことがある

一方、受注側のメリット・デメリットは以下のとおりです。

【メリット】
・成果に応じて報酬額が増える(ビジネスのモチベーションが高まる)
・継続的な報酬が見込める

【デメリット】
・事業が順調でない場合、期待した報酬を得られないことがある
・コストを回収して利益が出るまでの期間が長い

レベニューシェア型契約を締結する際には、これらのメリット・デメリットを考慮して慎重に検討しましょう。また、発注側と受注側の事業規模に差があるなどの提携関係によって、契約が希望通りに結べない場合もあることにも注意が必要です。

レベニューシェアの配分比率の目安は?

レベニューシェアの配分比率は一概に言えません。その理由は、レベニューシェアは売上を配分することになるため、経費や利益率、事業の状況などによって配分比率に大きな差が出るからです。例えば、ECサイトの構築なら、その後の情報セキュリティの保守・管理や、ブラウザのアップデート対応を含めるなどの条件によって、配分比率は変わるでしょう。相場のようなものがないため、契約交渉によってお互いが納得できる配分比率を決めることになります。将来的に配分比率を調整しなければならない状況が予想される場合には、再交渉の時期についても契約書に含めておかなければなりません。

IT業界でよく行われているのは、受注者側が開発費用を回収するまでの期間の配分比率を、高めに設定することです。順調に売上が出てコストを回収した後は、配分比率が下がっていきます。このような方法を取るケースが多いのは、初期費用として受け取れる額が少ないために受注者側の負担が大きく、投資リスクも高いからです。

「あべのハルカス」はレベニューシェアの成功事例

2014年3月に開業した超高層商業施設「あべのハルカス」は、レベニューシェアの成功事例としても知られています。この事例の発注者は、あべのハルカス側の企業である近畿日本鉄道で、受注者はパナソニック インフォメーションシステムズでした。レベニューシェアの対象となったのは、高層階の展望フロアと同ビル内にある美術館の入退場設備です。近畿日本鉄道は、これらの設備導入費用を抑えることで、施設利用者を増やすための他の施策に資金を回したいと考えていました。そこで、入退場設備にノウハウを持つ業者と交渉を行い、最終的にパナソニック インフォメーションシステムズを委託先に選びます。これによって、内装設備や管内設備など、プロジェクトで不足がちだった費用を補えました。一方、パナソニック インフォメーションシステムズは、入場ゲートや発券機とこれらを管理するシステムを安価に導入し、運用・保守を担当します。その対価として、あべのハルカスの事業が続く限り、継続して報酬を得られます。

配分比率の基準になっていると推測されているのは、入場チケットの数という明確な指標です。あべのハルカスは超巨大プロジェクトということもあり、事業状況や先の見通しが不透明な部分があったためです。入場チケット数にしたことで、近畿日本鉄道側としては事業リスクを低減でき、パナソニック インフォメーションシステムズ側は事業状況を把握しやすいメリットが生じます。入場者の数は施設運営の状況や景気の動向などによって変化するため、1年ごとに入場者数の推移をみながら、契約内容を見直していくということです。

レベニューシェアの報酬はどのように会計処理するのか

レベニューシェアの成果報酬は、発注側からすれば外注費用と基本的に同じです。したがって、会計処理や確定申告の際には、受注側と交わした請求書や領収書があれば問題ありません。後から説明できるように、金額や経費の内容についても帳簿に記しておきましょう。一方、受注側は報酬をそのまま収入・利益としては計上しません。なぜなら、成果報酬のなかには、受注者が負担した諸経費の一部も含まれていることがあるからです。これらは会計処理の際に経費として差し引けます。なお、双方で会計処理を正しく行うために、契約書に「分配金に対して消費税を含める」「1円単位を切り捨てる」など細かな規定も記述しておくことも重要です。

導入例