
レベニューシェアは、近年特にIT企業が関わる取引で多く見られるようになった契約形態です。この契約では、システム開発などを発注する段階では初期費用が発生せず、導入したシステムから得られた利益を一定の比率で受注者・発注者間でシェアを行います。この記事では、レベニューシェア契約時の適切な報酬の決定方法や、トラブルが起きやすいポイントを説明するとともに、おすすめできる具体的サービスを紹介していきます。
1.レベニューシェアはどのように報酬を決めるべき?
レベニューシェアの報酬の決め方は、どんな業態や取引でも例外なく通用する方法があるわけではありません。各々の取引の特徴をよく考慮して、長期的に見ても適切な基準を設定すべきです。まず、レベニューシェアを行う際は、利益分配対象となる成果が明確な数値として反映されることが最低限の条件です。例えば、開発アプリのダウンロード数や、ECサイトを構築した場合の売上などは、レベニューシェア契約を行う上で実に相性の良い指標となります。逆に、社内の経理・人事のシステムなど、より企業の根幹を担う要素を取り扱う場合は、新システムの貢献度を数値化するのが難しく、レベニューシェアにはあまり向かない分野と判断せざるを得ません。
次に、分配対象とする客観的成果は、「売上」と「利益」どちらにするのかも重要なポイントです。各取引の特性に左右されますが、一般的には売上を分配対象とした方が、費用項目が関わる前段階の数字のため、双方が納得できる基準として受け入れられやすいでしょう。一方で、利益を分配対象とみなすのも選択肢の一つですが、利益額を大きく左右する経費の扱いを契約段階で明確に取り決めておく必要があります。なぜなら、人件費が大部分を占めるビジネスモデルや、リスティング広告へ重点的な出費を伴うケースなどは、受注側が費用負担するか否かで、手元に入る報酬額も大きく変わってくるからです。
そして、報酬比率を決める際は、プロジェクトで計画通りの成果がもたらされた場合、前払い受注の取引に比べ、ベンダーがより多くの報酬をが受け取れるよう設定するのが通例です。なぜなら、受注者はシステムなどを開発・提供しても、ビジネスが失敗し報酬がほとんど得られないリスクを背負っているからです。その対価として、受注側が多く請求するのはその取引性質上からも妥当性があります。
2.報酬や契約でトラブルになりやすいポイント
報酬や契約でトラブルになりやすいポイントとしては、まず、報酬算定額に消費税を含むのかどうかという点です。消費税は売上や利益の中で決して小さくない比率を占めているので、双方の認識が統一されていないと少なからず不満が生じる要因になってしまいます。さらに、返品・交換への対処もトラブルを招きやすいポイントです。ECサイトで物品販売を行っているようなケースでは、一定数の返品・交換の発生は避けようがありません。成果に相応しい算定額には、返品・交換を控除すべきか、事前に書面で明記しておけば、双方が都合の良い解釈で対立するリスクもなくなります。
売上や利益が上がったと認識するタイミングも事前に擦り合わせておくべきポイントです。例えば、ユーザーから大量に注文が入り、今月は多くの成果・報酬が上がったと確信するベンダーと、まだ収入が入っていないので成果になり得ないと考えるクライアントの立場では、一定期間の報酬算定額の計算にかなりのギャップが生じてしまうでしょう。
そして、受注者と発注者の双方が負担する費用の範囲も、できる限り細かく分類して明示しておくのが望ましいです。契約段階で曖昧だった場合に起こりうる事態として、クライアントは、費用である以上は双方で負担して当然と考え、ベンダー側は関連性の低い費用まで負担対象になるのはおかしいだろうと意見の相違が生まれてしまいます。互いに企業風土も取引慣習も異なっていると自覚した上で、締結前に、細かいルール設定に取り組むことが大切です。
3.報酬の決定や管理におすすめの方法は?
それではレベニューシェア成功のカギを握る、報酬決定や管理においておすすめの方法はあるのでしょうか。これまで説明したレベニューシェアの注意点などを見て、意外に煩雑そうだったり、トラブルの発生が不安になったりした読者もいるかもしれません。実は、上述した注意点やトラブルのほとんどは、人為的ミスや当事者間の認識の違いによって引き起こされるものです。裏を返すと、専用に最適化された管理システムを利用すれば、レベニューシェアビジネスを効果的に実践していく道が開けます。
そこでおすすめの方法として紹介したいのが、アートリガーというレベニューシェアを全自動化できる管理クラウドシステムです。多くのメリットを有するアートリガーですが、何より集計・計算・送金を自動化し、売上情報共有をリアルタイムで実現してくれるのが最大の魅力です。やはり全員で遅滞なく情報共有できるクラウド機能は、レベニューシェアを管理するうえで必須の要素と位置付けることができます。シェア企業は、クライアントの成績が掴めずもどかしい思いをすることなく、客観的な情報を常に追って「経営の見える化」を享受していきます。
また、自動化且つ最適化された計算は、人為的ミスや不正が起こる可能性を排除するため、計上される数値に対して余計な疑いが生じる心配もありません。業務の効率性・正確性の向上はもちろんのこと、共通の目的を達成する中で、取引先同士が信頼関係を保って向き合えるというのも大きなメリットです。特に、3社以上の企業や個人が絡んでレベニューシェアを行うケースでは、こうしたアートリガーのようなシステムがなければ、順調に取引を進めていくのは極めて困難でしょう。さらに、初期費用・月額費用はかからず、使用分のみ1%の送金手数料という業界最安値のコストパフォーマンスも注目に値します。